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「銭ゲバ」を三行で語る
録っておいた最終話をようやく見た。
いやーすげぇこの最終回。
特に強制的に話のコントラストを出しまくってくるあたりにはやられた。
- 人生は不可逆的である
別の言い方をすれば要するに「後悔先に立たず」ってことなんだけど、「銭ゲバ」(の主人公)においてはそもそも「後悔」という概念が見あたらないため「不可逆的」ってことにしておく。
ワタクシ的には「JPEG理論」とか「MP3理論」*2と呼ぶことにする。
- 小さな出来事(の積み重ね)が他の出来事に大きな影響を及ぼす
主人公がああなったのはいろんな出来事の重ね合わせなのは言うまでもないとして、割と大きな外部的要因がいくつかある。
- 主人公の親父が鬼畜
- 金持ちの女の子に嫌われた
- 慕っていたあんちゃんを殺しちゃった
これらの三つにはそれぞれ前段階として「無実の罪を着せられる」「お菓子を持ち帰ろうとしているところを見られる」「泥酔してたおっちゃんから財布を盗んでいたところをあんちゃんが発見」という出来事があるんだけど、その前の段階にもその前の前の段階にも小さな出来事があるわけですよ。*3
これはとりあえずワタクシの好きな歌の歌詞を引用しておきます。
なんてことのない作業が この世界を回り回って
何処の誰かも知らない人の笑い声を作ってゆく
「なんてことのない作業」のポジティブな側面がこの曲のような感じだとしたら、逆に最もネガティブな側面がこの物語のようなことなんじゃないかなぁと思った。
- 何事もそんなにうまく事は運ばない
最後はちょっと微妙だけど、別の言い方をすると「隣の芝生は青い」的なことですかね。
「お金のない不幸」があれば「お金のある不幸」もあるし、それぞれ逆もあり得るわけで。*4
いやはや、近年では希に見る傑作です。決して万人向けではないけど。*5